幼なじみ〜first love〜
蒼―side―
“智也”
やっぱり…俺の思ったとおりだった…。
「おまえが病室で“会った”って言ったのって…智也だったのか?」
「…うん」
俺はタオルを放り、絢音を抱き寄せた。
「絢音……」
絢音の背中を優しくさすり続けた。
絢音…どうしたら
おまえの心の傷は癒える…?
どうしたら俺は…おまえを救ってやれる…?
「おまえは、いつも自分のせいにするけど……智也のことも、おまえは何も悪くないだろ…?」
「あの時もそうだったね…。蒼が助けてくれなかったら…あたしは生きてなかった」
忘れるなんて出来ないってこと、わかってる。
俺だってそうだ。智也との会話、ひとつひとつ覚えてるよ。
あの頃の俺たちまだ、あまりにも幼すぎて、あまりにも衝撃的な出来事だった。
「絢音……おまえのせいじゃない」
「でも…智也はあたしを許してくれない……」