幼なじみ〜first love〜
「……夢じゃないよね?」




絢音が後ろから俺の身体に抱きついてきた。そんなことされたら、俺だって勘違いするだろーが。




「俺がおまえを好きだって言ったこと…?」




「………冷蔵庫の中にたくさんのケーキが入ってること…」




「いや、それ…ぜってーに夢だ」




ケーキの夢見てたのかよ。絢音の食い意地には本当に呆れる。




絢音の両腕を掴み、ベッドの上に押し倒した。




「……蒼?」




俺は開いている胸元に噛みついた。




「…痛いっ…蒼…何すんの…」




赤紫色のアザ…愛してる証。




「なっ…ちょっと!キスマーク…なんて…何考えてんの…っ」




「絢音は……俺のものだって印…」




「ば、ばっかじゃないの?!」




絢音は、俺をベッドの上から床に落とし、足のスネを思い切り蹴りやがった。




「イッてぇ…スネ蹴んなよ…」




絢音は小さいくせに、本当バカぢからだ。




「もぉ…バカ!何やってんのよ!」




そんなに怒らなくたっていいじゃんか。




「おまえを元気にさせようとしたんだろ?」




「うそ!ただの変態じゃないっ」




絢音は、ふてくされてベッドの中にもぐりこんだ。




「絢音?」




布団を思い切り捲りあげると、絢音は頬を赤く染めたまま、俺を見つめた。




「待つって言ったくせに…」




「それとこれとは別。おまえを振り向かせなきゃ、始まらないだろ?」




気持ちを知られた以上、俺は片想いで終わる気はない。




全力でおまえを振り向かして見せる。




「蒼のバーカ」




「絢音、俺のこと嫌い?」
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