幼なじみ〜first love〜
―――……
その日の学校の休み時間、俺とケンは学校の中庭の隅でタバコを吸っていた。
綺麗な青空に白い雲がゆっくりと流れる。桜の木が満開にピンク色の花を咲かせ、風に吹かれて花びらは宙を舞っている。
「なぁ…ケン。栞が…今日、退学届け出したらしい」
ケンは、吸っていたタバコをジュースの空き缶に入れた。
「そっか…どんな理由があってもオレ…、アイツ見たら何するか、わかんなかったし…オレの前からいなくなってくれてよかった……」
そう言ってケンは、空を見上げため息をついた。
もちろん…俺だって許せねぇよ
でも…栞が変わってくれると信じて
いつか…許せる日が来ると思いたい……
「…高梨の具合どう?」
「手首に包帯巻いてるよ…」
ケンもろくに寝てないんだとわかる。目の下はクマが出来てるし、あまり食欲もないみたいだ。
「美々も…絢音っちも…ホントに……。…死のうとするなんて……」
ケン…わかるよ
俺もこの何日間か、生きてる心地がしない…。
「でもさぁ…蒼、絢音っちがいなくなって、よく海にいるってわかったな?絢音っち、ケータイ持ってなかったんだろ?」
「あの海は……絢音が…智也と最後に逢った場所だったから……」