幼なじみ〜first love〜
【忘れられない過去】
絢音―side―
――――……
休み時間、あたしは、ひとりになりたくて屋上にやって来た。
見上げると、綺麗な青い空に…ヒコーキ雲が一筋の線を描いてく。
蒼に助けてもらわなかったら、二度とこんな景色を見ることはなかった。
肌に感じる爽やかな風の感触さえも…生きてると実感させる。
力が抜けたように、柵にもたれかかった。
校内では、栞の姿が見えない。
会っても、なんて言えばいいのかも、わからないけど…せめて美々ちゃんに謝ってほしい……。
例え、美々ちゃんが許さないとしても…。
あたしは、携帯の待受画面を見つめた。
美々ちゃんと撮ったプリクラの画像があたしの待受画面。
また…こんなふうに笑ってくれる…?
美々ちゃん…会いたいよ…
ガチャ…――…キィ………―――
目をやると、屋上の扉が開くと同時に人が見えた。
「やっと、見ーつけたっ」