幼なじみ〜first love〜
俺は絢音を抱きかかえて、ベッドの上に座らせた。
「蒼…怒ってる?」
「…あたりまえだろ?何でアイツがここに…」
俺は立ったまま、ベッドの上に座る絢音を抱き寄せ、髪を撫でた。
「おまえも…しっかりしろよ…。アイツは智也じゃない…遊也だ」
「…わかってる」
「わかってねぇよ…!お前は何も…!」
まただ…また俺のせいで絢音の身体を怯えさせた。
「…ごめん…絢音…怒鳴ったりして悪かった……」
俺は、絢音をもう一度、キツく抱き締めた。
「おまえが俺じゃない男に…触れられたり…見られんのも嫌なんだよ……」
ごめん…
勝手なのはわかってる……
「…頼むよ…絢音……。俺だって…おまえに怒鳴りたくなんかない…」
俺の一方的な気持ちってことも
でも自分じゃ
抑えられない……
「…絢音は…俺のものだけでいて…」
人はどうして
こんなにも
勝手で
汚れた心で
人に恋してしまうんだろう……
恋をすれば
恋に傷つく…――
それでも人は
恋をしてしまうんだ