幼なじみ〜first love〜
放課後、俺は、絢音とケンと一緒に、高梨の家に向かっていた。
「絢音っち、マジ大丈夫かよ?いきなり倒れんだもん…オレ、マジでビビッたし」
「うん。もう大丈夫。ケンちゃん…心配かけてごめんね?」
「友達だろ~?心配すんのあたりまえだろ?」
「ケンちゃん…」
「泣きマネすんなよ~。…んだよ…絢音っち元気じゃん。安心した」
「元気、元気~!」
絢音が元気なフリをするのは、苦しい時ほどそうなんだよ。
俺は、保健室以来、なんとなく絢音と気まずい雰囲気で、ケンと絢音の後ろを少し離れて歩いていた。
「蒼~っ!何してんのぉ~?」
絢音が振り向いて、俺を手招きする。絢音は何事もなかったかのように振舞っているのが余計に辛かった。
「あ、あぁ…」
“好きになりそうや…絢音のこと…”
俺は、遊也の言葉が頭から離れない。