幼なじみ〜first love〜

絢音―side―


泣いてるあたしを、蒼は抱き締めていてくれた。




「…蒼……好き……」




もう…自分の気持ちを抑えることなんて、

できなかった……




「…絢音……」




「…好きだよ…蒼…。…本当はずっと、小さい頃からずっと…大好きだった……」




蒼はあたしの身体を離し、あたしの目を見つめる。




「……嘘…だろ…?」




「嘘なんかじゃないってば…!今の美々ちゃんを想ったら、蒼に告白されても…本当の気持ちなんて言えなかった」




「そうだったのか…」




「…だけどあたし……本当は…蒼だけをずっと見てきたんだから…鈍感!」




夕日に照らされて、黒い影が二つ重なる。




あたしたち、やっとお互いの想いを伝えられた。




通じ合えた。




キスはしょっぱくて、涙の味がした。




蒼しかいない……


蒼しかいないよ………




こんなあたしを

こんなにも愛してくれるのは




蒼だけだよ




誰よりも…愛してるよ。
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