幼なじみ〜first love〜
家の玄関のドアを開けると、ちょうどママが目の前に立っていた。




「あら、おかえり…どうしたの?手なんか繋いじゃって〜」




やばっ…




ママの言葉と視線に、あたしたちは慌てて手を離す。




「おばちゃん!…絢音がそこで足つったんすよ…それで手を貸してただけっす…」




蒼のフォローにあたしも乗っかる。




「そ、そぉ〜…あたしドジでイヤになっちゃうよね〜」




あたしたちは必死にその場を繕うが、ママには通用しなかったようだ。




「フフッ…まぁお父さんには、バレないようにね?蒼くん追い出されちゃうかもしれないから…フフフッ…へぇ〜そぉ〜」




ママは、ひとり楽しそうに台所へと戻っていった。




ママにバレた……




「おまえが嘘つくのヘタなんだよ」




「だってぇ…」




「追い出されないように気をつけないとな」




「うん」




蒼はあたしのおでこにキスをおとした。
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