幼なじみ〜first love〜
蒼―side―
「ただいまぁー!蒼っ」
朝練を終えて帰ってきたら、家のどこにも絢音の姿はなかった。
おばさんに絢音の行き先を聞いたら、大切な人に逢いに行ったらしい。
おばさんも意地悪だな。俺がヤキモチ妬くのわかっててわざとそんな言い方してさ。
やっと昼過ぎになって、絢音が家に帰って来た。
「おかえり…ってか服濡れてね?」
「エヘヘッ…海で遊んでたから。まだ乾いてないみたい」
絢音は、服を膨らませてパタパタと扇いでいた。
「海?誰と…?」
「智也に会いに行ったらね、遊也がちょうど来てて…」
アイツ…
絢音のこと
好きになりそうとか言ってたけど
何もしてねぇだろうな…?
「ねぇ…蒼?遊也と友達になったの。蒼も仲良くしてね?」
ゲッ……アイツと?
「ねっ?蒼」
絢音が俺の腕を掴んだまま、顔を近づけてじっと見つめてくる…
「………嫌だ」