幼なじみ〜first love〜
絢音―side―
―――……
放課後のチャイムが校内に鳴り響く。
下校時刻になり、教室は騒がしくなる。
「蒼〜っ!今日は部活〜?」
あたしは鞄を肩にかけ、蒼の所に駆け寄った。
「休み。…高梨の家、行くか?」
「でも…美々ちゃんに来るなって言われてるし…どうすればいいと思う…?」
美々ちゃんにあんなふうに言われたら…
行けないよ……
「お〜いっ…おまえらぁ〜カラオケでも行かへん?」
ご機嫌そうに遊也が、教室にふらっと入ってきた。
「ごめん遊也…今日はちょっと…。いまね、美々ちゃん家に行くか迷ってるんだ…」
「迷うって何でやねん…友達なんやろ?何、気ぃ遣ってんねん。その美々ってヤツ、長いこと何で休んでるん?風邪かいな?」
蒼とあたしは、目を合わせて、黙り込む。
「………それは」
「何…二人で黙っとんねん…」
遊也が不思議そうにあたしたちの顔を交互に眺め、首を傾ける。
「……おまえには関係ねぇよ」
蒼は遊也に向かって冷たく言い放つ。
「蒼ってばぁ…!」
もぉ…
そんな言い方しなくてもいいのに。