幼なじみ〜first love〜
―――……




あたしは、美々ちゃんの部屋にやって来た。




このまえ来た時と変わらず、カーテンが締め切られ、昼間なのに薄暗い光のない部屋だった。





「絢音…この前あたしが言ったこと…忘れた?」




ベッドの上に座っている美々ちゃんは、目も合わせずに冷たく言う。




「…ごめんね。美々ちゃんの言ったこと覚えてる。…それでもやっぱり…美々ちゃんに会いたいよ」




「…………あたしの気持ちなんか…誰にもわかんないよ」




そう言って美々ちゃんは、太ももに爪を立てた。




「ねぇ、今日はね、美々ちゃんの大好きな駅前のドーナツ、買ってきたんだ…二人で食べよ?…はい、これ美々ちゃんの」




――…ズキンッ




美々ちゃんの手に触れ、手首の包帯を見るたびに胸が苦しい。




あたしは、美々ちゃんの包帯を巻いてない方の手に無理やり、ドーナツを持たせた。
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