幼なじみ〜first love〜
あたしは、大きなドーナツに思い切り、かぶりついた。




「…おいし…っ!ちょーおいしいよ。美々ちゃんも食べてよっ」




あたしの笑顔に、美々ちゃんはあきれた様子でため息をついた。




でも美々ちゃんもドーナツを一口だけ食べてくれた。




「…なんか…久々」




美々ちゃん…ここのドーナツが大好物だもんね…




少しだけ微笑んでくれた気がした。




「ねぇ美々ちゃん…カーテン開けてもいい?」




「…開ければ?」




薄暗い部屋が、パッと明るくなる…。




「…あっ!ヒコーキ雲だよっ?美々ちゃんも見てっ」




あたしは、窓の外の空を指差した。




白い筋が消えていく……




あのヒコーキ雲のように




美々ちゃんの悲しみや

苦しみが




空に溶けて消えてしまえばいいのに…―――




ごめんね…


ドーナツ買うことぐらいしか思いつかない




バカな親友で……
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