幼なじみ〜first love〜
「じゃ、おばさんまた…」




そう言って美々ちゃんのお母さんに軽く会釈をして玄関を出ると、ちょうど蒼たち3人がやってきた。




「絢音?もう帰んのか?」




蒼はあたしの腕を掴んで、離してくれない。




「…美々ちゃん、ちょっと疲れちゃったみたい…いま寝ちゃったから。だから今日はみんなも帰ろう?」




あたしはみんなの背中を押して無理やり歩かせる。




「俺まだ、美々ってヤツに会うてへん〜」




遊也が不満そうに口を尖らせて言った。




「はいはい、また今度なぁ〜。じゃなっ」




ケンちゃんが、遊也の腕を無理やり引っ張って帰ってゆく。




「大丈夫か?」




蒼が、あたしの顔を心配そうに覗きこんだ。




「うんっ。がんばるっ」









――…あたしは、その後…1週間連続で駅前のドーナツを美々ちゃん家に持っていった。
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