幼なじみ〜first love〜
蒼―side―
4時間目の授業は体育で、生徒たちは全員、プールサイドに集合した。
よく晴れた夏の青空、白い入道雲、まぶしい太陽が照りつける。
プールサイドを歩くと、足の裏が焼けるように熱く、つま先だけで歩いた。
「50mクロール用意…ピーーッ…―――」
ザッパーーーン…―――
先生の笛と共に、俺はコース台から水の中へと飛び込んだ。
……絢音に何て言えばいんだろう
正直に……
どんな言葉を用意しても
傷つけるのには変わりない……
早いほうがいいよな……―――
遊也とケンは、プールサイドの上で、泳ぐ順番を待っていた。
「なぁ…ケン?蒼のヤツ…めっちゃ泳ぐの速いやんか…」
「あぁそっか、遊也知らねぇよな。蒼は水泳、得意なんだよ。でも今日のアイツ…なんか…がむしゃらに泳いでる感じするな」
「なんかイヤなことでも、あったんかな?」
「イヤなこと…?そんなふうに見えるか?」
「…なんとなくなぁ」
絢音…俺はどうしたらいい…?
「お〜い!一ノ瀬、川畑!コース台に乗れ〜!笛吹くぞ〜」
先生に言われて、慌てて遊也とケンはコース台の上に立った。
「蒼のやつ、ずば抜けて速いやん…」
絢音…俺は…
おまえと一緒にいたい