幼なじみ〜first love〜
風呂から上がると、絢音とおばちゃんが、リビングのソファーに座り、テレビを見ていた。




「あら〜蒼くんとパパったら仲良しねぇ。一緒にお風呂に入るなんて…」




おばちゃんは、すぐさま立ち上がり、冷蔵庫からビールの缶を取り出して、おじちゃんに渡す。




「久しぶりに蒼に背中流してもらったよ…」




おじちゃんは、うまそうにビールをゴクゴクと喉で音を鳴らしながら飲んでいた。




「あなたったら蒼くんは、もう小さい子じゃないんだからね?」




おばちゃんとおじちゃんが笑ってると、絢音は口を尖らせて言った。




「パパは、あたしより蒼のこと可愛がってるもんね?昔から…」




絢音は、おじちゃんに嫌味ったらしく言う。




「…そんなことないぞ?絢音」




「ひがむなよぉ〜絢音」




俺は、ふてくされている絢音の隣に座り、膨れた頬を両手で潰した。




「ひがんでませんよぉーだっ!でも…蒼とパパって昔から本当の親子みたいなんだもん…」




俺は絢音が食べていたアイスクリームを横取りした。




「ちょっと!あたしのアイス…」




絢音は俺の腕を思い切り殴る。




「ゴホンッ。というわけでまぁ…今日から蒼がうちで暮らすわけだ。みんなで楽しく暮らしていこうな?」




おじちゃんの言葉に全員が頷く。




おじちゃんは、マジでいい人なんだ。




今まで何度思ったかな




絢音の父ちゃんが俺の父ちゃんだったら…




どんなにいいかと…




「えーっと…お世話なります。よろしくお願いします…!」




この家は温かい……




家族ってこういうモノなんだろうと…




昔からずっと感じていた




隣に住む絢音が羨ましかった




俺の家とは、全然違うから……―――
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