幼なじみ〜first love〜

俺は自分の部屋に戻り、布団の上にうつぶせになった。




わかってた

絢音がムリしていること



けど

俺は好きで…好きで



この絢音への想いがあれば


二人が強く想っていれば




離れても大丈夫だって

そう思いたかった



離れたくないと、ここにいたいと、自分の心が揺れるたび…


そう…自分に言い聞かせていた




だけど、絢音も

俺と同じ気持ちでいて欲しいなんて




俺には言えない




生まれてからずっと一緒にいて




離れたことなんて


今まで一度もなかったのに




寂しい思いも


悲しい思いも




これからは絶対にさせてしまう




それは事実だから




自信がないと言った


絢音の本音を




いざちゃんと絢音の口から聞いたら




俺は迷わない




行かないでと言わない

おまえを




俺は、縛り付けたくはない…―――





涙を止めることが出来ずに、枕が濡れてゆく。




隣の部屋にいる絢音に聞こえないように、俺は口を押さえ、下唇を強く噛みしめ、声を押し殺して涙を流した。




…俺たち


………選択肢は

これしかないと思うんだ




絢音…縛りつけてごめんな
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