幼なじみ〜first love〜
大丈夫なわけない
「ハハッ…なんだよ、いきなり…。二人して…そんな顔しやがって…」
俺は二人に背を向け、タバコの煙を吐き、窓から空を見上げた。
「絢音に、うまく説得できたんやろ?」
「説得も何も…アイツは俺に直接何も言わねぇから。行くことは決まってるし…」
俺は二人の顔を見ずに、淡々と答える。
「つらいやろーな、お互い」
「16年間も一緒にいてさ…2年半ってそんなに長いのかな……」
俺は空を見上げたまま呟く。また涙が込み上げてきて必死に堪えた。
「おまえらなら…大丈夫やって」
「俺もそう思うよ…蒼」
遊也とケンの言葉を、自分に言い聞かせたかった。
けど…
「俺も…そう思ってたよ……」
自分の気持ちを貫き通すことが恋
相手の幸せを心から願うことが愛
だとしたら俺は
結局、自分が傷つきたくないだけなのかもしれない
本当の愛は、傷つかない