幼なじみ〜first love〜
「アーンしたい!」




「なっ…//…いいよっ…ハズいって」




蒼の顔が、真っ赤になって可愛い。




「一度やってみたかったのぉ!はい、ア~~ンっ?」




あたしは、フォークで刺した卵焼きを、蒼の口元に持っていった。




「早く。口開けてよ!」




蒼は嫌々口を少しだけ開く。




「おいし?」




「うん」




「ヘヘッ…よかったぁ」




照れてる顔も好き……


笑ってる顔も好き……


真剣な顔も




どんな蒼も好きだよ。




「次はタコちゃんウィンナーですよぉ~?蒼くんア~ンっ…」




「………」




蒼は「またか」という呆れた様子で、でも口は開いてくれない。




「…はい、ア~ン?」




蒼と目が合い、瞳に吸い込まれそうになった。




「………おまえがいい」




そう言って蒼は、あたしにキスをした…――。








思わず、持っていたフォークを下に落としてしまう。




そっと離れる唇…見つめ合う瞳。




「蒼…好きだよ……」




蒼は何も言わずに、何度も何度もあたしにキスをした……―――。
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