幼なじみ〜first love〜
あたしは何も言い返せないまま、観覧車は下に着いてしまった。突然で、頭が混乱ていうより、真っ白になってた。




ただの幼なじみに戻るって?彼氏彼女じゃなくて?




さっきまでキスしてたのに、どうして?




「雨…強くなってきたな…。傘買ってくるから、おまえそこで雨宿りしてろっ」




屋根付きのジュースの自動販売機前に、あたしを残して、蒼は走ってく。




ねぇ…蒼は

初めからそのつもりで…デートしてたの…?




恋人として

最後のデート




何で…?




あたしたちまた

ただの
幼なじみに戻るの…?




そんなの…イヤだ




最初から別れるつもりなら


何で突き放さなかったの?




甘い夢を見させて


どんどん好きにさせて…




「イヤぁぁぁッ……!」




雨の中を走ってく蒼に向かって、大声で泣き叫んだ。




「絢音…」




蒼が振り返るけど、強い雨に打たれて、蒼がいまどんな顔してるのかわからない。




あたしは蒼の元へ走ってく。




ずぶ濡れの身体




傘なんていらない




蒼がいれば


何もいらない
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