幼なじみ〜first love〜
「絢音!風邪ひくだろ?!戻れ!」




雨に打たれてもいい。風邪引いたっていい。




蒼と別れるなんて嫌だ!




「ハァッ…ハァ……」




息を切らしてあたしは、ずぶ濡れの蒼の前に立った。




「ど…ぉして…?」




胸が詰まって、涙が出て、うまく声が出ない。




涙は、強い雨に流される。




「絢音……」




「や…だ…そんなの…やだよぉ…蒼……」




蒼の服にしがみついた。




「あたしたち…何で別れなきゃいけないのぉ…っ」




悲しい顔なんか


見せてないじゃない




いつも


笑ってたじゃない




今日は最後のデートだって言われても


泣かないって決めてたんだよ




「あたし…何かした…?」




「………」




「黙ってないで…答えてよぉぉぉ――…」




蒼の胸元を必死で叩いた。
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