幼なじみ〜first love〜
「…おまえさ、自信ないんだろ…?」




頭の上から聞こえた、冷たい低い声…




「…たったの…2年半じゃねぇか……」




もしかして…


美々ちゃんとの電話の会話、聞かれてた…?




「…離れたらダメになるとか…そんな程度なのかよ……俺とおまえは……」




違う…違うの…




「おまえがそんなふうに思ってんなら…俺はおまえのこと縛り付けたくねぇんだよっ!俺の勝手な想いとか、そーいうの押しつけたくねぇんだよ!」




蒼の叫び声が


辺りに響き渡った




雨に濡れてるからなのか


涙で溢れているからなのか




目の前が滲んで見えない……





でも…見失っちゃいけない




大切な人




あたしのたったひとり想う人を




「…好きだから」




あたしは、もう一度、声を振り絞って発した。




「蒼が…好きだからっ!」




「………絢音」




「…好きだから…不安だよ…自信ないよ…弱いよあたし…。頭ではわかってるの…蒼はアメリカに行くべきだと思う…」




頭では理解してた


でも心は…




ただ…わがままに愛してた
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