幼なじみ〜first love〜
「…おーい…いいかぁ?」




「まだっ!」




何度も呼んでみるけど、浴室から「まだ」と絢音の大きな声が響き渡る。




絢音が、自分から風呂一緒に入るって言ったくせに…。




俺はまだ、浴室のドアの前で全裸で待たされている。




「…いいかげん入るぞ?」




「…う、うん……」




―――ガチャ




浴室のドアを開けると、浴槽に浸かり、恥ずかしそうに向こうを向いたままの後ろ姿の絢音がいた。




小さな肩が湯から出ている。




髪を緩くひとつにまとめ、白いうなじが綺麗だった。




チャ…ポン…っ




俺は、右手でお湯かげんを確認し、そのあと全身を湯船に浸からせた。




ザーッザーッ…ジャーッ……――




俺が湯船に浸かると、お湯がだいぶ流れ出た。




「はぁ〜…あったかいな…」




俺は後ろから、絢音を抱き締めた。




「んぎゃっ」




絢音の身体がビクッとなり、思わず手を離す。




「なんだよ?」




「ドキドキして…死にそう」




「……今さら遅せぇーよ」




俺は絢音の肩を唇で軽く噛んだ。
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