幼なじみ〜first love〜
あたしたちは、誰もいない夜の学校に忍び込んで、プールサイドへと向かった。




真っ暗な夜の学校…、あたしは少し怖くなって、蒼のTシャツの裾を掴んで歩いていた。




「蒼…怖くないの?」




「全然怖くねぇけど?絢音は怖いのか?」




大きく頷くと、蒼はあたしの手を握って歩いていく。




「なんだ…プールサイド明かり点いてんじゃん」




ライトが、プールサイドを明るく照らしていた。




「あぁーっ…!せっかくだから、水着持ってくればよかったなぁ~」




「ハハッ…俺も泳ぎてぇ」




あたしたちは、プールサイドに座り、裸足になった足をプールの水の中に入れた。




水が冷たくて、気持ちいい……




プールの水面に映る、月とあたしたちの影……。




「もう来れないからさ…」




蒼が少し寂しそうな顔をして、水を蹴り上げた。




「…そうだね……」




あたしたち、もう同じ高校には通えない…。




「なんか…今までいろんなことあったよな……」




「うん……」




あたしはバシャバシャと水を蹴ったりして、気を紛らわしていた。






蒼の寂しげな顔を見ると



泣いてしまいそうになるから
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