幼なじみ〜first love〜
「…絢音…っ!」
声がして、顔を上げると…スーツ姿の遊也が手を振って駆けてくる。
相変わらずスラっと背が高く、周りの人が振り返るほど容姿端麗の彼。
変わったといえば……
「髪、黒いじゃんっ!」
金髪だった彼の頭は、黒く染められ、ピアスもしていない。
「あたりまえやろ?働いてんねんから…」
「フフッ…それは失礼しました」
会うのは2年ぶりだったし…
普通に話せるか心配だった。
けど…大丈夫みたい
「ほな…行こか」
「うんっ」
あたしたちは、並んで夜の街を歩いてく。
「…絢音は…変わってへんなぁ…」
「えぇーっ!?ちょっとは大人っぽくなったでしょー!?」
「んーっ…なってへん」
イタズラに笑う彼の笑顔は、昔と全然変わらず、一瞬で高校時代に引き戻される……―――。