幼なじみ〜first love〜

「何言うてんねん…？別れたいって言うたの、おまえやんけ…」




「…そうだけど……」




「けど？何やねん？」




「別れてから気づいたの…。傍にいられるだけで、よかったってこと……」




美月の瞳には、涙が溢れとった。




「…お願い…より戻したいの。遊也のことが好き……」




震える細い声で、美月の頬には一筋の涙が流れる。




「…おまえも知っとるんやろ？今、瑠奈と付き合ってんねん…」




美月は、コクンと小さく頷いた。




「そーいうことや…」




俺は、美月の頭に手を乗せて、優しく撫でた。




「…瑠奈のことも…あたしの時と同じで…愛してないんでしょ…？」




髪を撫でる俺の手は、ピタッと止まる。




「遊也が好きなのは…あの子だけ……。あの子を好きなままでもいいから…それでもいいから……もう一度……」




「瑠奈と付き合うてる言うたやろ？」




そんなに泣くほど




俺のこと好きにならんでええよ……




美月……




俺は最低な男や…おまえならよく知ってるやろ…？




「俺は…めんどくさい女は嫌いやねん。瑠奈は、そんなふうに泣かへんよ…」




俺なんかのこと




さっさと忘れろや……