幼なじみ〜first love〜

絢音―side―

打ち上げは、夜10時過ぎに終わり…




体育祭で疲れきったのか、帰る頃には、みんなあくびをしたり眠そうにしていた。




服についた、お好み焼きの匂いを消すように、夜の爽やかな風が、吹き抜ける。




帰り道、途中でみんなとも別れ、あたしはひとりで歩いていた。




ピロリロリ〜…――♪




ポケットの中で携帯が鳴っている…蒼からの着信音だ。




「…もしもーし蒼?」




“……おう。今日体育祭だったんだろ?”




「うん!うちのクラス優勝したよ。楽しかった。でも蒼がいればもっと楽しかったなって…思った」




寂しいと思うのは

いつものことなのに……




“…優勝?すげぇじゃん”




蒼の声を聞いただけで

想いは溢れる……




「………ねぇ」




“…絢音?”




「何で…2週間も連絡くれなかったの……?」
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