幼なじみ〜first love〜
俺が外に出て周りを見渡すと、道路沿いのヤシの木のそばに立つ街灯に、沙羅は寄りかかって立っていた。




「こんな時間にどーした?」




俺は沙羅の元に駆け寄る。




「うん…」




沙羅は、なんだか気まずそうに俯く。




「沙羅?」




俺が沙羅の顔を覗くと、沙羅は真剣な瞳で俺を見つめた。




「…蒼…もしかして…泣いてた…?」




「…泣いてねぇよ」




「蒼の目…赤いよ…?」




街灯の光でちょうど顔が照らされる。俺は目を逸らした。




「目が赤いのは、眠いだけ……」




――――………


一瞬…何が起きたのかわからず、頭が真っ白になった。




目の前には…目を閉じた沙羅の顔。




唇に柔らかい感触。




バニラのように甘い沙羅の香りが広がる。
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