幼なじみ〜first love〜
絢音―side―
―――……
楽しかった体育祭も終わり、6月になると梅雨入りをして雨が多い日が続いていた。
「……はぁ〜」
窓際の席のあたしは、机に頬杖をつき、ため息が漏れる。
降りしきる雨で、窓の外は灰色の世界に染まっている。
「どしたん?溜息なんかついて…」
遊也が後ろからポンとあたしの頭を叩いた。
「……別に何でもないよ」
「蒼とケンカでもしたんか?」
「…してない」
体育祭の夜、蒼から2週間ぶりに電話が来て、少し言い合いになった。
でもその後の蒼は、3日に一度は電話をくれるようになった。
それは嬉しいのだけれど……
気になることがある。