幼なじみ〜first love〜

――…パタンッ


パパの部屋に入り、ドアを閉め、あたしは立ったままドアに寄りかかった。




「パパ…なに?」




パパはスーツを脱いで、ハンガーにかけている。パパはあたしに背を向けたまま話し始めた。




「絢音…」




パパはいつもより低い声で、何か真剣な話なんだろうと雰囲気で察した。




「絢音、蒼と付き合ってんのか?」




まさかその話だとは思わず、あたしは声を詰まらせる。




「えっと…パパ何で…?」




何で気づいたんだろう…?ママが言ったのかな?




でも、今はもう蒼と一緒に住んではいないし、蒼と付き合ってることを秘密にしなくてもいいかなと思った。




「うん…付き合ってるよ…」




振り返ったパパの顔を、あたしは恐る恐る見つめた。




「そうか…いつからだ?」




パパは無表情で冷静な口調で、淡々と聞いてくる。




なんか…雰囲気がいつもの優しいパパじゃない。




「いつからだと聞いてるんだ…答えなさい、絢音…」



「パパ…?」




どうしてそんな怖い顔で聞くの…?
< 432 / 1,010 >

この作品をシェア

pagetop