幼なじみ〜first love〜
教室に着くと、あたしは早速、美々ちゃんに蒼との同居について報告をした。




「はっ!?今なんつったの!?」




美々ちゃんの驚く大きな声に、クラスメートたちが一瞬こちらを見た。


あたしはクラスメートたちに無言の笑顔で返す。




美々ちゃんはあまりに驚いたのか、目を真ん丸くして固まっていた。




「しーっ!ミミちゃん声でかいって…」




「だって同居って…!」




慌てて美々ちゃんの口を、右手で塞いだ。




誰にも聞かれてないよね?




美々ちゃんは、あたしの右手を振り払い、興奮を抑えきれないようだ。




「一緒に暮らすことになったって…大チャンスじゃーん!」




美々ちゃんはあたしの肩を前後に激しく揺さぶる。




「全然チャンスじゃないし。ドキドキして気が休まらないよぉ」




「バカっ!小さい頃から一緒にいて、今さら緊張してんじゃないわよっ!こんなチャンスないよ!?」




美々ちゃんが、あたしの両肩を力強く握り、真っ直ぐに目をみつめる。




「チャンス、チャンス!がんばれ絢音!」




バシバシとあたしの腕を叩く美々ちゃん。しかも痛い。あたしは叩かれた腕の部分をさする。




「それに!絢音、見て?あれ…」




美々ちゃんが指差したのは、廊下にいた蒼と…


知らない他のクラスの女の子が、笑いながら話している姿だった。
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