幼なじみ〜first love〜
見ていられなくて、すぐに目を背けた。




「…相手の女の子…可愛いね。他のクラスの子だよね」




ヤキモチなんて何度も何度も妬いてるのに、どうして慣れないんだろう?




あの子だけが嫌なんじゃない。他の誰でも嫌なの。




「蒼くんモテるんだから、いつ彼女ができてもおかしくないんだかんねっ!」




美々ちゃんは、人差指びであたしのおでこをツンと押す。




「はい…わかってます…」




あたしだってわかってるよ…美々ちゃん…




でもね…あたし自分に自信がないから。




世の中の恋する女の子たちは、みんなあたしみたいに不安に思うの?




気持ちを伝えるって、すごく勇気がいることだもん。




「脱っ!幼なじみ!…絢音も繰り返してっ」




「えっ?脱!幼なじみ!」




「声が小さいっ!脱っ!同居人!」




美々ちゃんの目が怖い。あたしよりも気合い入っちゃってる。




「脱っ!同居人!」




「ファイトーーーオーーーー!」




美々ちゃんは強引にあたしの腕を高く上に振り上げた。




蒼は…


どんな女の子を好きになるのかな…




そういえば、蒼から今まで恋愛の話し聞いたことない。




蒼は今まで誰か好きになったこと、あるのだろうか。
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