幼なじみ〜first love〜
学校帰りに蒼と、駅前のクレープ屋さんに寄った。




2人でクレープを食べながら歩いてく。イチゴと生クリームとカスタード…クレープはあたしの夢が詰まった甘くておいしい食べ物。




「なぁ絢音?朝のこと、まだ怒ってんのか?」




「怒ってないよ…?何で?」




あたしの口についていた生クリームを蒼が指で取り、それをペロッと舐める。




「なっ…」




「ん?」




…ドキドキさせないで。心臓止まったらどうすんのよ?




「…ホントに怒ってねー?」




「別にいつもと変わんないけど?」




「うそつけ。機嫌わるー」




あたしが何もないと言うから、蒼はプイッとふてくされて少し前を歩く。




蒼がモテてるから、ヤキモチ妬いたなんて言えない。




――…ドンッ!!




「あっ…ごめんなさい…」




そう言って、蒼の身体に勢いよく同い年ぐらいの女の子がぶつかった。




ドサッバサバサバサッ…――




蒼とぶつかった衝撃で、その女の子のカバンから、教科書やノート、ボールペンなどが、道端に散らばってしまった。




蒼のクレープは…蒼の口に咥えられたまま無事だった。
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