幼なじみ〜first love〜
「……何を?」




あたしは何も知らないフリをして答えるけど、一瞬、動揺した。




蒼は何かをあたしに隠してた。


まさか…蒼は、パパたちの不倫のこと知ってたの…?




“…いや、…いい。何でもない”




蒼が知ってたとしたら、どうやって知る…?知るはずない。きっと他のことに違いない。




「蒼…?」




“もしかして、俺たちの親のことか…?”




「えっ…蒼……知ってたの?どうして…」




“やっぱり…そのことか……”




蒼はあたしより前に知ってたの…?そんな…




「…どぉして…?いつから…っく…ぅぅ…ひっく…」




知ってて…何で……

ひとりで抱えていたのね




堪えていた涙が一気に溢れ出した。




“俺も知ったのは、最近だった…。母ちゃんがおかしくなってから、寝言で絢音の父ちゃんの名前呼ぶし、まさかとは思ったけど…母ちゃんの携帯を勝手に見ちゃったんだ…”




「パパは過去の事だって、あたしにそう言ったけど、おばさんはまだ…」




“絢音が知ったのはいつだ…?”




「昨日の夜…パパに蒼と付き合ってることがバレて、別れろって言われて…その後に知った…」




“辛かっただろ…?俺も知った時、すげぇショックだった。どうしたらいいかわかんなかった。ごめんな…こんな時に、そばにいてやれなくて……”




蒼……胸が痛いよ…

涙が止まらない…




どうしてあたしは……いつも間違えるんだろう……――
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