幼なじみ〜first love〜
“……誰に?”




顔が見えなくても、声だけでわかる。いま、蒼がどんな顔をしてるか。
傷つけて、悲しませて、許されるわけない過ち。




「あたしが全部悪いの…だから…」




“誰だって聞いてんだよっ?!”




蒼は怒っているんじゃない


蒼は傷ついたんだ




深く深く

癒えない傷を…




あなたに与えてしまったね……




「ごめんね……」




“言えないってことは…誰だかわかったよ…。俺…どっちのことも信じてたのに……”




「蒼…いまね、あたし…後悔しか残ってない。蒼も友達も裏切って…あたしは何でいつも間違えるんだろうって……ごめんなさい…」




いくら泣いたって

謝ったって




あなたの悲しみは消えるわけないのに…




「……許し…て…」




どうして…こんなこと言えるんだろう




自分が憎くて

汚くて


嫌い……




死ぬまでずっと




綺麗な心で

蒼を愛したかった……――
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