幼なじみ〜first love〜

蒼―side―



―――……アメリカ・ロサンゼルス。




俺は、ここ1週間ほとんど眠れていなかった。




目をつぶると、イヤなことだけが浮かんでしまう。




俺は、父ちゃんと母ちゃんの子供じゃないのか…?




俺と絢音は兄妹なのか…?




母ちゃんに聞かなければならない。




母ちゃんの調子があんまり良くないだけに、聞きづらい…




それに絢音の父ちゃんのことが、母ちゃんの中の爆弾なんじゃないかって…




いつもと変わらない朝の食卓。




母ちゃんと俺は、向かい合って座り、クロワッサンをかじる。




「母ちゃん…顔色よくないな」




血の気もない、蒼白い顔は細くコケている。




「大丈夫よ…」




「ちゃんと食えよ」




「食べてるわ…」




母ちゃんは、痩せていくだけじゃない、ここ最近…笑顔さえ見せない。




「母ちゃん…あのさ…」




「…なぁに?」




「いや…何でもねぇや」




聞けるわけない…




こんな状態で…どう聞けばいい




俺は…もう




考えることに疲れ果てていた……
< 522 / 1,010 >

この作品をシェア

pagetop