幼なじみ〜first love〜
「母ちゃん…ご飯食えよ」




「……いらないわ」




母ちゃんは、ベッドの上から動こうとしない。




まるで…人形




「ちょっとでも食わないと、死んじゃうだろ…?」




「……死んだっていいんだもの…」




母ちゃんの言葉に、俺の中の何かが壊れた。




「…っざけんなっ!!そんなに絢音の父ちゃんが好きかよっ!?んあっ?!」




俺の怒鳴り声に、一瞬、母ちゃんの目が見開いた。




「……蒼…どうしてそれを…?」




「…んなのどぉだっていいんだよぉっ!」




止められなかった


今言うべきではないと、頭の中でよぎったのに




わかっていても


止められないこともある




「自分だけ可哀想に思ってんじゃねぇよっ!俺だって…絢音だって…母ちゃんのせいで傷ついてんだっ!」




怒りを


抑えられなくて




「結婚したんだろーがっ!母ちゃんも涼介さんもっ!それぞれ結婚して子供もいるんだっ!どんなに自分勝手で、酷いことしてるかって、わかんねーのかよぉっ?!」




でも…




間違ったことは




言っていないと




自分に言い聞かせながら………






けれど


俺の言葉が母ちゃんを追い詰めたのも




確かだった………
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