幼なじみ〜first love〜
「蒼に…何がわかるっていうの…?」




聞き取れないぐらいの小さな声で、母ちゃんの身体は震えていた。




「自分さえよけりゃ、俺のことも父ちゃんのことも、絢音の家族も、どうだっていいのかよっ!!」




どうしてだよ…




どうして俺を愛してくれないんだ…




昔からそうだった……




俺は…心の奥でずっと…




母ちゃんに愛されたがってた……―――




「…蒼…私が憎い…?」




母親の愛を知らない………




「俺は……」




言ってはいけない




一言を…俺は…




「俺は……母ちゃんなんか……嫌いだ」




本音ではなかった




大切だよ




好きだよ




母ちゃん




俺はただ愛されたかっただけなんだ…




なのに………










「…私を……殺して……」
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