幼なじみ〜first love〜

「本当に…蒼だよね…っ?」




あたしは、蒼の背中に手を回し、蒼の服をギュッと掴んだ。




逢いたかった




すごく逢いたかったよ…蒼




「…絢音……」




蒼の大きな手が




あたしの頭を優しく撫でる……




何も変わってない……




優しい声も

大きな手も

大きな背中も




あたしの大好きな蒼だ…




「どうして…?どうして戻って来れたのぉ…?」




「…絢音…泣くなよ……」




「だってぇ…びっくりしたんだもん…嬉しい……」




言いたいこと

言わなきゃいけないこと




たくさんあるのに…




うまく言葉が出て来ない…




「絢音また背ぇ、縮んだ?」




イタズラに笑う蒼…




「伸びたもんっ!5ミリ…」




何もなかったかのように




一瞬で




一年前に戻ったような…




まだ何も知らなかった




あの夏の日に




戻れたら…どんなにいいだろう……




ただ…君が好き…




あの頃のように……




「…絢音、俺と…かけおちしよう」




「…えっ?いきなり…何言って…」




かけおち…?
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