幼なじみ〜first love〜
「お二人さんは…兄妹かい?」




運転手さんの質問に一瞬、沈黙が流れた。




この質問シャレになんない。




「…いえ、俺たち恋人っす」




「ハハハッ…そうか。彼女がずいぶん若く見えたからねぇ」




…17才だもん




若いに決まってるじゃない(怒)




「ちょっとぉ〜蒼?何、笑ってんのよっ」




蒼が口を押さえて、笑いを堪えている。




「おじさん余計なこと言っちゃったなぁ〜」




「いいんすよ。コイツ、童顔だし、チビだからよく高校生に間違われるんすけど〜俺たち大学生なんすよ」




ん?大学生…!?




「父親の別荘があって、旅行に来たんすよ」




「そうかぁ…旅行ってことは泊まるんだろ?行き先の別荘の周りはねぇ…お店何もないよ?」




「えっ?そうなんすか?」




「もう少し走るとスーパーマーケットあるけど、寄るかい?」




「はいっ!お願いします」




運転手さんのおかげで、あたしたちはスーパーマーケットで食材を買っていくことにした。




「ゆっくり行ってきていいよ。料金止めとくからさっ」




運転手のおじさんは笑顔で手を振る。




「そんな…悪いっすよ」




「おっちゃん、一服して休憩してっから、気にすんな…買い忘れないようになぁ」




タクシーのおじさんは…本当にイイ人だった。




ところで、チビで童顔…うっさいわ!




無言で蒼の背中をパンチした。




「イッてぇー!何だよ?」




……はい、無視。
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