幼なじみ〜first love〜
あたしと蒼は、カートにカゴを乗せて、野菜コーナーから、見ていくことにした。




「ねぇ…蒼?何で大学生なんて嘘ついたの?」




「明日も平日なのに、高校生が何やってんだって怪しまれて、警察にでも言われたらどーすんだよ」




「あっ…そっか。大学生は平気なの?」




「どうだろうな。まぁ…大丈夫だと思うけどな。念のためだよ」




「うん…」




つくづく未成年だということを思い知らされる。




「ねぇ…そんな買うの?」




蒼は適当に野菜をどんどんカゴに入れていく。




「ちょっと…蒼?何、作る気!?」




「わかんねぇけど…とりあえず食材あったら何でも作れんだろ?」




「もぉ…っ!あたしがちゃんと考えながら買うからぁ!」




「俺だって一応向こう行って料理してたんだぜ?」




得意気に自慢する蒼。




「えぇ〜蒼がぁ〜?信じらんない…」




「おまえこそ、料理の腕…上がったのかよ?」




「当たり前でしょっ?」




蒼がアメリカに行ってから、必死に料理の勉強してたんだから…




「んじゃぁ〜楽しみにしてるよ…絢音ちゃん♪」




蒼がイタズラに笑う。




「絶対…信じてないでしょ?見ててよねっ!」




「はいはいっ」




気づくと、周りにいたおばさん達に笑われていた。




でもこんな風に、蒼と2人でスーパーで買い物するなんて…




夫婦になったみたいな気分。
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