幼なじみ〜first love〜
夜空を見上げながらの風呂は、最高だ。




「ねぇ…蒼。なんか…本当にすごいよね…この別荘。露天風呂なんだもん…」




俺たちは、木でできた大きな湯槽に浸かっていた。




二人で入ってもかなり余裕がある広さだった。




「星見ながら、風呂なんてな…。いいなぁ〜こういう生活…」




「セレブになった気分〜♪」




絢音が浮かれながら鼻歌を歌い出した。




「結婚したら、こういう自然の中で暮らすのも悪くねぇな…」




「うん…そだね。落ち着くし…」




「そんで子供とか生まれてさ…“あたち、パパと結婚しゅる〜”とか言われながらさ…」




妄想だけど


幸せだな…そんな生活…




「えっ!待って!子供、女の子って設定なの?」




「はっ!?あたりまえじゃん。女の子だろ」




「あたしは…男の子がいいなぁ〜。蒼そっくりな男の子でぇ〜、きっと可愛いよぉ?」




「いーや、女の子がいい」




「男の子がいいっ!」




「ぜってぇ〜女の子!」




「絶対に男の子!」




パシャッ…!!




「おまえなぁ〜顔にお湯かけんなよぉ」




「へへっ♪」




バシャッ…!!




「お返しっ」




「もぉ〜っ!!」




星空の下、時間も忘れて俺たちは、お風呂の中でふざけあっていた。




結果、のぼせたっていう…




相変わらずな俺たち…。






幸せな夢を描いてた




きっと

男の子でも女の子でも




可愛くて仕方ない




そんな日々が


いつか来るのだと…




幸せな夢を




あたりまえのように見てた…――
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