幼なじみ〜first love〜
そっと唇を離すと、絢音の顔は、真っ赤だった。




これ以上…この顔見てたら理性が飛ぶ…




「そろそろ…帰る準備すっか」




絢音に背を向けて、俺はカバンの中に、洋服を詰め込む。




「…うん」




背後から聞こえた絢音の返事は、とても小さな声だった。




わかってたよ


俺だって……




離れるのが
どんどんツラくなることぐらい…




それでもただ…逢いたくて




逢いたくて

逢いたくて




たったの3日でも




逢いたかった




「なぁ…絢音」




「ん?」




「…この3日間、どーりでケータイ鳴らねぇと思ったら、ここ圏外らしい…」




特にケータイを見ようともしてなかった。




「えぇ〜本当だぁ!あたしママから連絡くるかもって思って電源切ってたから、気づかなかったぁ…」




「マジ山奥だな」




……っつーか




「タクシーどうやって呼びゃぁいいんだ?」




ドサッ……―――


俺たちは、頭が真っ白になり、カバンを床に落とす。




「どぉする…蒼…」




「落ち着け、絢音…冷静になろーぜ」




やべぇ……




俺らここから帰れねぇのか…!?
< 582 / 1,010 >

この作品をシェア

pagetop