幼なじみ〜first love〜
あたしの言葉に今までの女の子たちは、渋々納得してくれた様子だった。




「もしかして…絢音ちゃんって、蒼くんのこと好き?」




「…えっ……」




初めてだった。
こんなふうに蒼への気持ちを悟られたのは…




「ち、ちがうよ…?あたしと蒼は…ただの幼なじみだってば………」




動揺を隠すように、スカートの裾をギュッと掴み、栞ちゃんから目を逸らした。




「“ただの幼なじみ”っていうなら…協力してね?ねっ?」




栞ちゃんに顔を覗きこまれ、無理やり笑うしかなかった。




「栞ね…蒼くんが欲しいの」




栞ちゃんは、サラサラな長い髪をかきあげながら言った。




「蒼くんを栞のものにする」
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