幼なじみ〜first love〜
夜空はすっかり藍色に染まり、たくさんの星が輝き始めた。




蒼の住むアパートの目の前の公園に、あたしたちはやって来た。




蒼の後ろ姿を見つめながら、あたしは思った。




蒼のことは生まれた頃から知ってるのに




3年ぶりにあった蒼は


男らしさも増して




近づくだけで、ドキドキしちゃうくらい




ますますカッコ良くなってて……




あたしの知ってる蒼だけじゃなくなってた




「俺に話でもあんの?」




蒼はそう言って、そばにあったブランコに座った。




蒼は、笑顔で優しい顔で話しているけど、言葉は冷たい。




蒼が…何故か怖く感じた。




「わざわざ遠いのにさ、何で会いに来た?」




何で会いに来たか?


そんなの決まってるじゃない




「…なにそれ…?何でそんなこと言うの…?蒼じゃないよ…違う人みたい……」




「…はっ?何だよそれ…俺は俺だよ…。おまえの方がわけわかんねぇ…」




蒼は、鼻で笑った。




せっかく頑張って

会いに来たのに



そんな言い方するなんて酷い……

酷すぎるよ……




また泣いちゃいそうになるじゃん……




「あたし…まだ蒼を信じてるんだから…!」




信じてる……

信じたい………




だから

あたしの目を見てちゃんと言って…




「あたしと別れるなんて…嘘だよねぇ?ねぇ…っ!…好きな人ができたなんて、嘘でしょ…?」




あたしは、ブランコに座る蒼を抱き締めた…――。
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