幼なじみ〜first love〜
ずっと

変わることのない想いを




君に……―――。




「…絢音を幸せにするのは…俺じゃないよ」




ドクン…っ……――!




胸の奥に激しい痛みを覚えた。




「好きなヤツできたって言っただろ?」




「…イヤっ…聞きたくないっ!」




両手で両方の耳を塞いだ。




「絢音っ!」




蒼が、あたしの手を無理やりほどく。




「あたしのこと好きだって言ったじゃない!愛してるって何回も…」




「絢音…っ」




「最初で最後の恋だって…言ったじゃないっ!!」




「落ち着けよ」




蒼は、あたしの両腕を掴む。




「何で、表情変えないのよっ!?」




あたし…すごく苦しいのに……




悲しい顔ぐらい




してよ……




「…心変わりは、仕方ないだろ?」




信じていた人に




裏切られること




世界で一番愛する人に




裏切られること




これ以上の悲しみは




ないと思った




何で…?




何で…


他の誰かを愛したの…?




「あたしのこと…もぉ…何とも思ってないの…?」




バカみたいだけど




まだ蒼に期待してる




蒼の視線が、あたしの斜め後ろの方へ動く。




「…沙羅…っ…!」




蒼は、少し離れた所に立っていた女の人に向かって笑顔で呼びかけた…――。
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