幼なじみ〜first love〜
俺は、風呂から上がり、濡れた髪をタオルで拭きながら、冷蔵庫を開けた。




「沙羅も何か飲むか?沙羅…」




俺が台所から部屋を覗くと、沙羅はソファーに横になったまま、眠ってしまっていた。




タオルケットをそっと、沙羅の身体にかける。




俺がソファーの前に座り、寝顔を見つめていると、沙羅の閉じた目の際から、涙が流れた。




「…沙羅……」




沙羅を起こさないように、手の甲で、そっと沙羅の涙を拭った。




「…どこにも行かないって言っただろ…?」




不安にさせちゃったな…




ごめんな……沙羅




沙羅は

俺が絢音のことを




どれだけ想っていたか




知ってるから…




ロサンゼルスにいた頃から

ずっとそばで




俺を見てたから




だからさっき

絢音が現れて




俺が沙羅を置いていくんじゃないかって




そう思ったんだろ…?




俺は


一生、沙羅のそばにいるって…




もう決めたんだ…―――。
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