幼なじみ〜first love〜
【隠された真実】
遊也―side―
なぁ…蒼
悪いねんけど
おまえとの“約束”
…守れそうにない
俺に出来ることなんて
初めから何もなかったんかな……
絢音を家まで送り届けて、俺は自分のアパートに帰った。
うわっ…誰やねん…
俺ん家の玄関前にうずくまっている男がいる。
俺の足音に気づいたのか、そいつが顔をあげた。
「…遊也…遅ぇよ」
俺の顔をだるそうに見上げ、うずくまっていたのは、ケンだった。
「…びっくりさすなや。おまえこそ何してんねん」
「遊也…助けてくれよぉ〜」
ケンは立ち上がり、俺に抱きついてくる。
「キモッ!離れろやっ!おまえ何やねん…急に来てどないしてんっ」
ドンッ……―――
俺が笑いながら、ケンを突き飛ばすと、
勢いよくケンはドアに身体をぶつけて、そのまま滑り落ちるように座り込んだ。
「…ケン?俺、そんなに力入れてへんよ…」
ケンは、俯いたまま静かに答えた。
「俺さ、美々と別れた…」