幼なじみ〜first love〜
俺は、ケンを家の中に入れた。




「その辺に…適当に座れや」




「…うん」




ケンは、床にあぐらをかいて座り、俯く。




かなり

落ち込んでるようやな




「ビール飲むか?ケンがそんなんなるなんて、珍しいやん」




俺は、冷蔵庫から冷えきった缶ビールを二本取り出した。




コトッ……――




「ほら、とりあえず飲めや」




ケンの前に、缶ビールを置くと、ケンは一気に飲み干した。




「おーおー…いい飲みっぷりやなぁ〜」




「プハァ…っ!うめぇ〜ビール…まじで…うめぇ……」




ビールがうまいと言う、ケンの目には、涙が溢れていた。




「何があったんや…?美々と別れたなんて…嘘やろ?」




「…遊也ぁ…俺、美々いないと生きていけねぇよ…」




「アホか…情けないわぁ〜男のくせに泣くなや」




俺かて…今めっちゃ泣きたいのに……




我慢してんねや……




「遊也だって…昔から陰でこそこそ泣いてんじゃんかぁ〜」




「うっさいねん…!んで?原因は何や…?」




「わかんねぇよぉ…けど美々が俺のこと、好きか嫌いかわかんねぇって…」




ケンは、俺の分のビールまで飲みやがった。




「おまえら…ここ何ヵ月か、ろくに会ってなかったんやろ?」




「たまに美々の家に行ってるぐらいだったけど…」




「“あの事”ちゃんと美々に言ったんか?」
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