幼なじみ〜first love〜
「まだ本当は、隠しておきたかった…俺、バイトしてた」




「バ、バイト?何でバイトしてたこと隠すのよ!?まさか…何かヤバいバイトでもしてんじゃないでしょーね?」




あたしは、ケンの両頬をつねった。




「ひっ…ち、ちげぇから。ガソスタ!」




ガソリンスタンド…?




「何でガソリンスタンドでバイトすんのに、彼女に隠すのよぉ!?」




ケンは、黙ってあたしを見つめる。




「…何よ?」




「美々の誕生日に旅行、行きたくて…バイトして二人分の旅費貯めてた」




「な、なんで…言ってくれれば、あたし自分の分くらいバイトして旅費貯めたのに…」




本当…バカすぎるよ…ケン……




「俺さ、そーいえば付き合ってから一度も美々に誕生日プレゼントとかあげたことねぇなって思って……おまえ沖縄に旅行行きたがってたし♪」




プレゼントなんて

もらわなくても




ケンは

デートで行きたいとこも
連れてってくれてたし




何より愛をくれてたじゃん……




「だから会えなかったの?」




「…うん」




二人分の旅費稼ぐ為に、必死でバイトしてたの?




「家に来ても、会話ほとんどなくてさ…」




「ごめんな、バイトとレポート提出とかで睡眠不足だったし…」




「こんなの言うの恥ずかしいけど…エッチの回数も減ってきたのは…あたしに飽きてきたんじゃないかって……」




「んなわけねぇだろ?疲れてたからな…美々の部屋で、美々のそばにいるだけで癒されてた…」




ケンがバカ過ぎて

それがまた嬉し過ぎて




涙が出てきたじゃん……




あたしがバカだったんだ………
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