幼なじみ〜first love〜
道の途中で息を切らし、膝を押さえた。




「ハァ…疲れた」




「なんだよ…夏川のやつ。マジでめんどくせぇ…」




ポケットから携帯を取り出すと、絢音からメールが届いていた。




**********
蒼、部活お疲れさま☆

今日の晩御飯は
何でしょう?

気をつけて、
帰って来てね〜

絢音より
**********




通行人が俺を指差して笑っていた。




たぶん俺が、絢音から届いたメールを見てニヤけていたのだろう。




急いで帰ろう。絢音が待ってくれてる。




――――……

俺が家のドアを開けると、中からはいい匂いが漂ってきた。




「……ただいま」




俺の声が聞こえたのか、大きな足音がバタバタと聞こえてきた。




「おかえりぃ!」




絢音が、まるで主人の帰りを待っていた犬のように飛びついてきた。




「…なんだよ?いきなり飛びついてきて…」




「部活どぉだった?」




目をキラキラと輝かせて聞いてくる絢音に、今日の出来事を話す気にならなかった。後で話せばいいよな。




「んー…まぁまぁ…」




「蒼…なんかすごく疲れてない?部活キツかったの?」




絢音の顔みただけで、疲れも吹っ飛ぶ。




すげぇよ…おまえの力は…




「大丈夫……」




俺は笑顔で答えた。




「そぉ?ご飯できたとこだから、早く食べよう?」




「うん」




俺の腕を引っ張っていく絢音が、小さな子供みたいで可愛かった。
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